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インタビュー

一流の目的と二流の才能に悩む:

シャアの名言に学ぶ、仕事術(下) (1/2)

人々がシャアに惹かれる理由の1つ。それは組織の中で揉まれ、自分の成さなくてはいけないことに苦悩する姿にある。そして、次々と周りに追い越され、一流ではないことを自覚しながらも努力する姿に、共感を覚える。キミはシャアになれるか?
2006年12月07日 00時28分 更新

 敵役のヒーローとして輝いていたファーストガンダムのシャア。しかしその後編、そしてZガンダム(ゼータガンダム)へと続く彼の後半生は苦悩の道でもあった。彼もやはり組織の中で生きている人間である。周りとの関わり方をどう考え、どう悩んだのか。

 組織人としてのシャア・アズナブルの生き方に踏み込む。

『個人的な感情を吐き出すことが、事態を突破するうえで一番重要なことではないかと感じたのだ』

ks_char3.jpg 電車の中でビジネスパーソンが読めるようシンプルな装丁がなされた「評伝シャア・アズナブル」。一方で、カバーを取ってみるとこんなデザインになるという遊び心も

 目の前で両親を殺され失意のカミーユ。クワトロ大尉(シャア・アズナブル)は、シャアの言うことなら聞けそうだなと『その人はカミーユくんの立場とよく似ている。彼は、個人的な感情を吐き出すことが、事態を突破するうえで一番重要なことではないかと感じたのだ』と声をかけた──。

 シャアが言う、「個人的な感情」とはなんだったのか。彼はどのように“事態を突破”したのか。『評伝シャア・アズナブル』の著者である皆川ゆか氏は、次のようにシャアの心境を代弁する。

 「目的を掲げる情熱がどこから出るのかということです。例えばZガンダムでの敵役であるシロッコは、感情を吐き出すことをしない、感情を持つことを否定するわけです。感情によって行動することは下賤なことだとシロッコは言うわけです。しかしシャアは、感情とか情熱によって、行動を理論化して体系化していく。ここが、人間シャア・アズナブルに我々が魅了される部分だし、シロッコに愛情を感じないところだと思うんです」

 「シャアが最初にガルマを殺したのは復讐心でした。しかしその復讐心は、ジオン公国を解体しザビ家の独裁を否定して、ジオン・ズム・ダイクンの理念であるスペースノイドのための国家を作っていくという、公的な目的に昇華されていく。だから権力欲……というふうにはならないし、復讐心で残酷に苦しませてやる……という形にもならない」

 「シャアは復讐心を原動力にして、国家を改造するとか、世の中を変えるということを志していたと読めるわけです。シャアがキシリアに会ったときに『復讐心が醒めてしまった。むなしくなってしまった』と言ったわけですが、それでなぜ続いて行動できるのか。内心復讐心が燃えていたかもしれないが、仮に本当に復讐心がなくなっていたのであれば、行動する必要はないはずです。でもシャアは大きく次の目標を見定めている。ニュータイプの世の中を見てみたいと言うわけです」

 個人的な感情を捨てるのではなく、“吐き出し”て公的な目標に昇華させる。自らの感情を殺さずに、組織の目標に合致させるという観点から、シャアの後半生を読み返そう。

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[斎藤健二,ITmedia]

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