マインドマップ体験で「賢くなった」小学生

マインドマップの創始者トニー・ブザン氏が、東京で小学生にマインドマップのレクチャーを行った。「自分の好きなこと」をマインドマップにするように言われた児童は楽しく取り組み、終了時には「もっと続けたい」という声が上がるほどだった。

» 2006年11月22日 23時24分 公開
[吉田有子,ITmedia]

 小学生が「マインドマップ」を体験し、最後には「(自分は)賢い!」という声が上がる――英国大使館で、マインドマップの創始者トニー・ブザン氏が教師となり、九段小学校の5年1組・2組の児童(合計50人)に対してマインドマップのレクチャーを行った。マインドマップ普及活動を行うブザン氏公認の団体、ブザン・ワールドワイド・ジャパンの神田昌典社長が通訳を務めた。

 マインドマップを使わない状態では、発想力はどのくらいだろうか。小学生を前にしたブザン氏が指示したのは、「ゼムクリップを使ってできること」で思い浮かぶことをいくつでも書き出すようにということだ。終了後、アイデアの数を数えると、1人が思い浮かんだアイデアの数は1〜5つ。6つ以上のアイデアを思いついた児童はゼロだった。


 今回のレクチャーの目的は、児童たちが「自分は賢い」ということに気づくことだ。レクチャーの前半に「自分は賢いと思う? コンピュータは賢い? 自分とコンピュータを比べたらどちらが賢い?」とブザン氏は問いかける。「自分は賢い」という質問にはあまり手が挙がらず、「自分とコンピュータなら、コンピュータの方が賢い」という挙手が多かった。

 そこで、ブザン氏が見せたのが人の脳細胞のスライド。「人間1人にいくつの脳細胞があると思いますか? 1000万? 100億?」児童たちが思い思いの数を口にした後に「1兆」と答えを明かした。「たった1つの脳細胞も、コンピュータよりずっと賢く、パワフル。だから1兆もの脳細胞を持っているみんなはコンピュータよりもずっと賢い」


 自分よりコンピュータの方が賢いと答える児童が、マインドマップを経験するとどうなるのか。ブザン氏が指示した内容は極めてシンプルだった。真ん中にハートマークを3つ描き、そこから枝を伸ばして「“自分の好きなこと”を描くように――。色やその他の描き方は自由だ」。児童たちは集中して描きはじめ、時間切れになったときは、児童からは「もっと描きたい」とブーイングが出るほど。

 最初にゼムクリップの使い方について出したアイデアの数と比べると、マインドマップで描いたアイデアの数は非常に多かった。10〜20程度の「好きなこと」を出した児童が多く、なかには30を超えた児童も。最後にブザン氏が「みんなは自分のことを賢いと思う?」と問いかけたところ、前半とうって変わって、児童は口々に「賢い!」と答えた。


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