インターネット時代のお手軽英語勉強術――ライティング編デジタルワークスタイルの視点

これまで3回に分けてネットを使った英語勉強術を紹介してきました。「読む」「聞く」「会話する」とくれば、最後は最も敷居の高い「書く」技術――すなわちライティングです。

» 2006年11月01日 13時33分 公開
[徳力基彦,ITmedia]

 外資系の企業や海外向けの部署にいる人でもない限り、滅多に使うことの無いのが英語のライティングです。情報を受け取る立場であれば、ブログを「読む」、ポッドキャスティングを「聞く」、ことができれば海外の情報についていくこともできますし、仮に海外出張や旅行をしたとしても、相手と「話す」ことができれば英語が書けなくてもそれほど苦労することはありません。

 とはいえ、英語を書くことができれば、世界中の人とメールでコミュニケーションをとったり、情報発信することが可能になります。学ぶのは大変ですが、その分、挑戦する価値のある技術と言えるでしょう。今回は、そんな英語のライティングを勉強する方法を、ご紹介したいと思います。

→インターネット時代の英語を「読む」勉強術はこちら

→インターネット時代の英語を「聞く」勉強術はこちら

→インターネット時代の英語を「会話する」勉強術はこちら

ネット時代のお手軽英語勉強術:ライティング編

  • 英語のブログを書いてみよう
  • 翻訳チェックサービスを利用してみよう
  • オンラインの翻訳サービスを利用してみよう

英語のブログを書いてみよう

 英語を書く習慣をつけるのに効果が高いのは、英語のブログを書くことです。文法に自信がないから恥ずかしいという方も、匿名であれば、それほど恥ずかしがることなく英語を書けるのではないでしょうか。

 大事なのは、高校の英語学習のようなお仕着せの作文練習をするのではなく、ブログらしく自分が思ったことを英語にする練習を繰り返すことです。

 興味のある話や仕事に関わるニュースの感想など、日本語のブログと同じノリで英語のブログを書いてみましょう。海外の有名ブロガーに思い切ってトラックバックを打ってみたら、案外コメントなどレスポンスがあるかもしれませんし、常連の読者や友達もできるかもしれません。

 ちなみに、Google Adsenseのようなクリック保障型の広告は、英語圏の方が単価が高いといわれていますので、興味のある方は「広告事情の日米比較」なんていうテーマも面白いと思います。

翻訳チェックサービスを利用してみよう

 そうはいっても、1人でブログを書いていたら自分の英語が正しいのかどうか分からないので不安――。そんな人は、まず翻訳サイトの活用をお勧めします。

 エキサイト翻訳のような翻訳サイトでは、テキストボックスに文章を入力して翻訳ボタンを押すと、自動的に英語を日本語に変換してくれます。

 英語に比べて日本語は文章の区切りが分かりにくいため、日本語から英語への自動翻訳はなかなか精度があがらないのが実情です。ただ、私達のような英語ライティング初心者の短い英文であれば、日本語に翻訳してみて大体意味があっているか確認できると思います。その際、主語がなかったり、主語と述語の関係がちょっと変則な文章だと、うまく翻訳できないケースも多いので、翻訳システムが認識しやすいよう、主語や述語、修飾語など文章の各成分がわかりやすい素直な文章を心がけたほうがいいでしょう。

 なお、日本語から英語への翻訳とは異なり、英語からフランス語、ドイツ語など言語学的に近い欧米言語への翻訳はそれなりに精度も高いです。英語をマスターした後は、翻訳システムを活用してほかの言語の習得に励む――なんてこともできそうです。

エキサイト翻訳で◆◇Google Blogのエントリ◆を翻訳したところ。何とか大意はわかるレベル

 「翻訳サイトでテキストをいちいち入力するのが面倒だ」という人には、Googleの翻訳ブックマークレットボタンがお勧めです。「英語から日本語」へというブックマークレットをブラウザのツールバーに追加しておけば、気になった英文をマウスで選択し、ボタンを押すだけで手軽に英語を日本語に翻訳してくれます。

Googleの翻訳ブックマークレット。「日本語から英語へ」「英語から日本語へ」だけでなく、「英語からドイツ語へ」「英語から中国語(簡体)へ」など、20のブックマークレットを用意した。Internet ExplorerやFirefoxで利用できる
IEにブックマークレットを登録した
翻訳したい英文をマウスで選択し、ブックマークレットを押すと翻訳してくれる

オンラインの翻訳サービスを利用してみよう

 どうしても、自分がブログに書いた英語が正しいのかどうか確認したい、という方にお勧めなのがオンラインの翻訳サービスです。

 例えば「毎日かかさず英語でブログ」で提供されている英語添削サービスでは、1回400円〜700円のチケットを購入することでネイティブに英語文章を添削してもらえます。

 1回数百円であれば、中途半端に英会話学校に通ってライティングの勉強をするのに比べれば格安です。たまに自分の実力チェックに利用してみるのもいいでしょう。

 ちなみに、本誌でGTDを連載している百式・田口元さんも、以前にこのサービスを利用して英語の記事を書き、海外の著名なLifehacks系ブログから執筆オファーが来たという逸話もあります。

 日本語でブログを書けば日本中に情報発信できますが、英語でブログを書ければ相手は世界に広がります。せっかく英語を勉強するなら、英語での情報発信に挑戦してみてもいいのではと思います。

筆者プロフィール 徳力基彦(とくりき・もとひこ)

NTT、ITコンサルを経て、現在はアリエル・ネットワーク株式会社プロダクト・マネジメント室マネージャ。ビジネスパーソンの生産性向上のためのソフトウェアの企画・開発やコンサルティング業務に従事するほか、グループウェアやブログ、仕事術などに関する執筆・講演活動を行っている。ブログは「ワークスタイル・メモ」と「tokuriki.com


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