サイト閲覧が匿名でできるブラウザ「Torpark」

ネット上の人権擁護を訴える団体Hacktivismoが、無料の「匿名ブラウザ」を公開した。

» 2006年09月22日 07時09分 公開
[ITmedia]

 インターネット上での人権擁護を支援する国際団体Hacktivismoが9月19日、Webサイト閲覧が匿名で行えるブラウザ「Torpark」を公開した。Mozillaのポータブルブラウザをベースに開発されたブラウザで、USBメモリに入れて持ち運びが可能。使用PCや訪問したWebサイトといった情報を外部から追跡しにくくする。

 Hacktivismoは、ハッカーやインターネットセキュリティ専門家、人権運動家などによる国際団体。

 通常、インターネットに接続する場合には、固有のIPアドレスが割り当てられるが、このIPアドレスはWebサイト側から見たり、記録したりすることができる。このため、IPアドレスと、閲覧したWebサイトの履歴や入力情報、検索データを結び付け、個人の特定が可能になる場合もある。

 Torparkでは、匿名での接続を実現するため「TOR(The Onion Router)」を使用。TORネットワーク上での擬似接続を利用し、Webサイト側から見えるIPアドレスを数分おきに変更する。たとえば、東京にあるPCを利用してインターネット接続を行っていても、Webサイト側からは、TORネットワークサーバを持つ別の国からの接続であるかのように見えるうえ、それが数分おきに変化する。

 なお、Hacktivismoは、Torparkによって得られる匿名性はあくまで「接続」の部分についてであって「データ」の部分ではないとして、注意を促している。PCからTORネットワークに伝送されるデータは暗号化されるが、TORネットワークからWebサイトへ伝送されるデータは暗号化されていない。従って、Torparkブラウザの画面一番下に南京錠のマークが現れないような、ログイン/セッションの安全性が確保されていないサイトに対し、自分のユーザー名とパスワードを送ってはいけないと諭している。

 TorparkはWebサイトから無料でダウンロードできる。Windows専用。

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