大量のメモをうまく整理できなくて困る(1)【理論編】シゴトハック研究所

探してみると、メモを集めるツールは案外充実しています。ところが集めた情報を整理・加工するツールは、あまりありません。今回はマインドマップツールを使って情報を整理する方法を考えてみます。

» 2006年09月07日 22時33分 公開
[大橋悦夫,ITmedia]

今回の課題:書き残したメモを整理して活用する

状況説明:前回は、「メモは検索しやすい場所一カ所に集める」というコツをご紹介しました。メモを集めるツールとしては、「はてなブックマーク」「del.icio.us」などのソーシャルブックマークを始め、インストールして使う「紙copi」などがあります。

 このように、情報(特にWebページ上の情報)を簡単にメモするツールやサービスは充実していると言えるでしょう。

 一方、集めた情報をうまく整理・加工するためのツールはあまり見当たりません。例えば、大量のメモを元にしてPowerPointで企画書をまとめたり、プレゼン資料を作るといった作業を側面支援するようなツールです。従って、このメモという材料とアウトプットの間を取り持つ役割は、人の能力に大きく依存しているのが現状ではないでしょうか。


 そこで今回は、あちこちから集めたメモをうまく整理して仕事に活用するためのアイデアについて考えてみます。

コツ:マップ形式で整理する

 まず、情報収集ツールの特徴を整理しておきます。

特徴 リスト形式で収集される
メリット 簡単に集めてストックすることができる
デメリット 量が増えてくると見通しが悪くなる

 リスト形式というのは身の回りでもよく目にしますし、仕事をしていれば箇条書きのチェックリストを作ったり手順を整理したりするというシーンが少なくないでしょう。比較的なじみ深いフォーマットといえるでしょう。

 この形式の良い点は、文字通り1項目に1内容というシンプルながらもフォーマットが決まっているところにあります。逆に悪い点としては、量が増えてくるとリストが長くなり、項目間の関連性や構造が見えづらくなってくることでしょう。

 本当は関連性が強いにも関わらずリスト上で離れた位置にあれば、それを見落としてしまいがちです。また、関連性というのは常に1対1であるばかりでなく、1対多であったり多対多であることもあるため、これを表現し構造として把握する上ではリスト形式では難しくなるわけです。

 ここまで書いてきたところを図にまとめてみました。

 この図を眺めると、「メモを集める」「メモを整理する」という大きな2つのカタマリが見て取れます。前半では「メモを集める」ためのツールとその形式を考えてみましたが、ここでツリー状の構造ができていることに気づきます。

 自然と「メモを整理する」というカタマリについても同じような構造を作りたくなり、赤字で書いてあるような「(整理するツールが)あるとしたら何?」「そもそもどういう形式?」「どんな特徴?」という質問が思い浮かびます。この質問が考えを前に進める上で役に立ちます。このような整理の方法を、リスト形式に対してマップ形式と呼ぶことにします。

マップ形式で整理する

 上記の図は、MindManagerというアプリケーションで描いているのですが、まさに今回の記事を書く上でも活用しています。

 頭の中にある知識はもちろん、必要に応じて集めたメモをすべて白紙の上に並べて、配置を調整しながら、それぞれの間の関係を目に見える形にすることで、例えば「この空白部分についてはもう少し情報を集める必要がありそう」という課題が浮かび上がってきます。

 今回の例で言えば、赤字で質問を書いた部分というのが空白部分にあたるわけです。

 この空白部分を一部埋めたのが以下の図です。

 では、マップ形式の特徴とは何でしょうか? これについては、次回で考えていきます。

筆者:大橋悦夫

仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)がある。


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