人力検索と人口減少時代Biz.ID Weekly Top10

人力検索というと「はてな」や「OKWave」が有名だ。最近では「Yahoo!知恵袋」や「教えて!goo」といった大手ポータルサイトも注力している。

» 2006年08月08日 20時52分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 わからないことがあったら人に聞く――。古今東西、老若男女、すべての人類が試したことのある方法だといえる。当然、インターネット上でも現実社会と同様に、ユーザーからの質問に別のユーザーが答える「人力検索」サービスが存在している。人力検索はてなOKWaveYahoo!知恵袋教えて!gooなどが有名だ。

 通常の検索エンジン――例えばGoogleやYahoo! JAPAN――では、検索キーワードを単語ごとに入力する。文章で入力してヒットする場合もないとはいえないが、自然文での検索精度はまだそれほど高くない。その点、各種人力検索では人間が回答するため、通常の文章、つまり自然文で入力することになる。初心者でも手軽に利用できるのが特徴だ。

 ただ、人力ゆえに通常の検索エンジンに比べて検索結果の出力が必ずしも早いわけではない。質問によってはなかなか回答を得られない場合もある。

 最近、編集部では「人力検索というからには、人海戦術が有効なのではないか」と議論になった。人力検索はてなのユーザーは3万8600人程度。回答者はさらに少ないと考えると、回答する人員の絶対数が増えれば、それだけ回答に近づく可能性が高まるのではないか。また、何よりも回答人員が増加することで質問に対する回答時間も短縮できるはず――という仮定だ。

 そう考えると、少子高齢化が進み人口減少時代に突入せんとする日本では、人力検索の精度アップ、サービス向上に少々心もとなくなった。例えば中国が、その圧倒的な人口を背景に、人力検索エンジン「人民(仮称)」を開始したならどうだろう。すでに1億人を超えるインターネットユーザーが存在するという中国のことだ、きっとすさまじい勢いで回答が付くのではないか。Googleですら検閲対象のかの国だから、草の根的な人力検索は意外と需要もあるかもしれない。

 もちろんこれは極端な話であって、回答者の絶対数も大事だがそれ以上に回答者の質も大事なのは明らかだ。人力検索と聞いて久々に思い出した「手動サーチエンジンはやぶさ」にアクセスしながら、人力検索の可能性を思い浮かべてみた。

ちなみ2006年8月8日20時時点で「はやぶさ」からの回答には2031日を要するという

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