Webアプリケーションを使って楽をする

食わず嫌いの人もいるが、デスクトップソフトからWebアプリケーションに移行することで、楽になる作業は多い。(Lifehacker)

» 2006年07月25日 19時05分 公開
[Tim Grahl,Lifehacker]
LifeHacker

【この記事は、2006年6月29日付で米ブログメディア「Lifehacker」に掲載された記事を翻訳したものです。】

 デスクトップソフトウェアと変わらない機能を備えたWebアプリケーションが日に日に増えている。筆者はここ数カ月で、自分の仕事を可能な限り、Webベースのソフトウェアアプリケーションに移行させた。お気に入りはGoogle CalendarWritelyBloglinesBlinksaledel.isio.usTa-da ListsFlickrなど。慣れ親しんだデスクトップソフトウェアの世界を離れるのがおっくうなユーザーも多いだろうが、ホステッドWebアプリケーション(インターネット上のサーバでデータを保存してくれるアプリケーション)で自分のデータを管理することは、ストレージの安全性、ファイル共有、アクセスしやすさの面から、多くの人にとって賢明な選択だ。

 自分のドキュメントはオフサイト(インターネット上のサーバ)に保管したほうが、ローカルマシンに保存しておくよりはるかに安全だ。筆者はITプロフェッショナルとして無数のコンピュータを扱い、ハードウェアとソフトウェアの欠陥への対処に時間と労力を費やしてきた。オフィス環境では多くの場合ネットワーク全体でバックアップが取られているが、ホームコンピュータの場合、定型的にバックアップが取られているものはごくわずか。外付けドライブにバックアップを取っている家庭が少数ながらあるが、その場合でも、洪水、火事、盗難などの惨事に遭えばすべてを失う可能性がある。数年分の情報が、たった1件の惨事で台無しというわけだ。インターネット環境でファイルを編集し保存するようになれば、今より強力なITサポートと、冗長性を備えたバックアップを得られる場合が多い。

 また、ホステッドWebアプリケーションには、ファイルやプロジェクトを共有あるいは共同利用できるという大きなメリットがある。筆者はこの原稿を書くのにオンラインワープロのWritelyを使い、ジーナと下書きを共有し、彼女にたくさん、必要な校正を加えてもらった(Lifehacker編集部注:それほど多くの校正は必要ありませんでした)。おかげで電子メール添付書類として原稿をやり取りする場合と比べ、時間と労力と混乱を減らすことができた。Flickr、del.icio.us、Thumbstacksなどのサービスを使えば、友人や同僚と各種メディアを簡単に共有できる。

 ストレージの安全性とファイル共有のしやすさも重要だが、筆者にとっては、アクセスのしやすさこそがホステッドサービスの最大のメリットだ。どこからでも、どんなコンピュータからでも作業できる自由は素晴らしい。筆者はデスクトップ型とノート型の両方のコンピュータで作業しているが、ホステッドソフトウェア環境を使うことで、必要なファイルを常に持ち歩く必要がなく、バージョン管理も気にしなくていい。さらに、自分のコンピュータを利用できない状況にあるときも、インターネットに接続されたコンピュータを見つけられさえすれば、仕掛かり中のプロジェクトのほぼすべてにアクセスできる。

 筆者は大抵の人が必要とするものは、すべてホステッドソフトウェアでも提供できると信じているが、それがベストな選択ではないこともまだ多い。例えば、Writelyでの下書きには、Microsoft Wordを使うより、はるかに多くの時間がかかる。写真やビデオの編集などの作業も、Webベースの環境では(まだ?)うまくいかない。現在のインターネットの速度とハードウェアのコストでは、システムリソースが足りないからだ。ビデオリミックスのJumpCutや画像編集のCreating Onlineなど、トライを始めた少数のサービスがものになってくれることに期待したい。

 プライバシーの問題もある。プライベートなファイルを他者のサービスに保管するのは心配だという人もいるかもしれない。世界を制覇する計画を概略したドキュメントが、勤務先の財務ファイルとともに他人にかぎつけられたり誤って共有してしまったら? 不安があるなら対象となるサービスの利用規約をよく確認し、電子メールやインスタントメッセージと同様、用心して扱うことだ。共有することでクビや離婚の危機に見舞われそうなファイルについては、別の扱い方を考えたほうがいいだろう。

 だが、大半の人は、Webベースのソフトウェアを使った方が、日常的な作業は楽になるだろうし、ストレージの安全性、ファイル共有とアクセスのしやすさから、移行は非常に賢明な選択となる。

本稿筆者ティム・グラールは二十代半ばで複数の会社を興した起業家。ブログ、ネットワーキング、ビーチの散歩を楽しんでいる。プログラミングとマーケティングの才能を掛け合わせ、自分の仕事と家庭をうまく両立させている。



この記事は、Lifehackerの発行元である米Gawker Mediaの許可を得て、アイティメディア株式会社が翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。

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