ソーシャルブックマークを情報整理の必須ツールに(前編)デジタルワークスタイルの視点

爆発的に増加する情報量をどう処理するのか――。ソーシャルブックマークを使った情報整理法を試してみよう

» 2006年07月12日 00時00分 公開
[徳力基彦,ITmedia]

 インターネット普及の初期は、日々インターネット上で更新されている情報のほとんどが、商用ニュースサイトの記事でした。それが、最近ではブログの普及により個人も手軽に情報発信できるようになったため、情報量は爆発的に増えていると言われています。

 なにしろ、日本だけでブログの登録数が800万、アクティブなブログだけでも100万を超えると言われています。当然、仕事に役立つ記事や面白い文章も、その中にたくさん含まれているわけで、これらの記事や文章をどうやって整理して保管するかというのが、重要な課題になります。

 ただ、昔のように新聞記事をスクラップして集めるような感覚で、それぞれの情報を時間をかけて丁寧に整理をしていたら、この大量の情報の波を乗り切るのは大変。情報の収集や整理に時間をとられ過ぎてしまい、本業で成果を出すための時間がなくなってしまった――なんてことになったら本末転倒です。

ブログ記事の整理に最適なソーシャルブックマーク

 そこで、ネット上の情報整理に是非お勧めしたいのが、ソーシャルブックマークサービスです。ソーシャルブックマークサービスとは、ネット上で自分のブックマークを保存したり公開したりできるサービスだと思ってください。記事をブックマークした人の数などを表示することで、ブックマークされるような注目を集める記事がひと目でわかることが特徴です。

 Webブラウザについている「ブックマーク」や「お気に入り」の機能がオンライン上にあるイメージです。このBiz.IDでも、記事の右上に「はてなブックマーク」というアイコンが入っていますが、このはてなブックマークもソーシャルブックマークサービスの1つです。

Biz.IDの記事右上の「はてなブックマーク」ボタン

 ブラウザのお気に入りなどの場合、通常「サイト単位」でブックマークする前提で設計されています。そのため、ニュースサイトやブログの記事を大量に登録すると、複雑なカテゴリ階層で分類する必要があり、カテゴリ分類が苦手な人だとすぐに破綻してしまう場合が多いようです。

 ソーシャルブックマークでは、「記事単位」でクリッピングすることを目的にサービスが設計されていますから、クリッピングした日時を元に時系列で過去のブックマークを振り返ることができたり、「タグ」でブックマークを整理して保存したりと、大量の記事をクリッピングしても効率的に整理することができます。

とにかくまずは使ってみよう

 また、たいていのソーシャルブックマークは、記事のクリッピングの方法も簡単で、設定画面にある「ブックマークレット」をブラウザのツールバーやお気に入りにドラッグして入れるだけです。後は取っておきたい記事に出会ったら、そのブックマークレットを選択して保存するだけ。好きなだけ、ニュースサイトやブログの記事をクリッピングすることができます。ブックマークレットの登録の仕方はこちらの記事を参考にするといいでしょう。

 ブログやRSSリーダーに比べると、まだ意外に使っている人は少ないようですが、ブログのようなCGMによって大量の情報が生み出されるこれからの時代には必須の情報整理ツールになると思います。

 文字で説明するよりも使ってもらう方が分かりやすいと思いますので、主なソーシャルブックマークをご紹介します。自分にあったサービスを探してみてください(ちなみに「達人の仕事術」シリーズでも、達人の人たちの使っているソーシャルブックマークサービスが毎回紹介されています。こちらも参考にしてみてください)。

はてなブックマーク

  • 現在のところ、日本で最も積極的に利用されているソーシャルブックマークサービス
  • タグやRSS対応といった基本的な機能だけでなく、自動カテゴリ分類やお気に入り機能、投げ銭対応するなど多機能。利用には、はてなのアカウントが必要

del.icio.us

  • ソーシャルブックマークを知らしめたサービス。米Yahoo!に買収された
  • APIを使った周辺ツールが充実しており、日本にも多数の利用者がいる

ニフティクリップ

  • ニフティが開始したソーシャルブックマークサービス
  • 利用にはニフティのアカウントが必要。登録した記事ごとに公開/非公開を選択できる

livedoorクリップ

  • ライブドアが開始したソーシャルブックマークサービス
  • 利用にはライブドアのアカウントが必要。ニフティクリップ同様、登録した記事ごとに公開・非公開を選択することも可能で、記事ごとに5段階の評価をつけることもできる

筆者プロフィール 徳力基彦(とくりき・もとひこ)

NTT、ITコンサルを経て、現在はアリエル・ネットワーク株式会社プロダクト・マネジメント室マネージャ。ビジネスパーソンの生産性向上のためのソフトウェアの企画・開発やコンサルティング業務に従事するほか、グループウェアやブログ、仕事術などに関する執筆・講演活動を行っている。ブログは「ワークスタイル・メモ


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