机の上が常に書類や文房具やガジェット類で散らかっていて困る(理論編)シゴトハック研究所

放っておくとビジネスパーソンの机は書類やら本やらで散らかる一方。ひと思いに掃除をしてもいいですが、いつの間にか机がきれいになる方法、教えます。

» 2006年07月06日 20時54分 公開
[大橋悦夫,ITmedia]

今回の課題:机の上の整理がつかない

状況説明:散らかした覚えはないのに、ふと気づくと散らかっているのが机の上です。「すぐ対応しなきゃ!」ということで机の上の一番見えやすいところに置いた書類がすでに何週間もほったらかしになっていたりします。書類以外にも、書籍や雑誌、文房具や食玩などなど、オフィスは机を占拠するモノには事欠きません。

 そんな机の上には、もはやキーボードを辛うじて置けるスペースとマウスを動かせる余地しか残っておらず、それが当たり前の状態になり、もはや「片付ける」という考え方さえ机の上のカオスに飲み込まれてしまいます。

 おそらく、このような状況を誰しもよしとはしないでしょう。よしとしないのに整理が進まないのはなぜでしょうか。そして整理できるようになるにはどうしたらいいでしょうか。


コツ:席に着くたびに1つ、席を立つたびにまた1つ片付ける

 例えば、机の上にはモニタとキーボードとマウス、そしてスケジュール帳しかない状態だとしたらどうでしょう。このような無機質ともいえる机の上では、赤ペン1本を置くだけでも目立ちます。「あれれ、赤ペンはどこにいったかな?」などと探すまでもなくイヤでも目に入ってくるでしょう。

 机の上がこういった状態に保たれていれば、その状態を汚すあらゆるものに対して敏感になります。

 これは「割れ窓理論」の応用といえます。割れ窓理論とは、建物の窓が1枚でも割られていて、それが放置されれば、ほかの窓もいずれ割られるだろう、という考え方から名付けられたもので、もともとは環境犯罪学の理論です。

 机の上でいえば、赤ペン1本というのが窓ガラス1枚、ということになります。この赤ペン1本をその場で片付けられるか、あるいは放置してしまうかで、その後の机の運命が変わります。

 では、なぜ人は机の上に無造作にモノを置きまくってしまうのでしょうか。理由は2つ考えられます。

  1. 目の前から見えなくしてしまうと忘れてしまいそうだから
  2. 所定の位置に片付けるのが面倒だから(あとで片付けるつもり)

 特に1の「忘れたくない」という心理的な理由が大きいでしょう。引き出しの中にしまい込んでそのまま忘れてしまったら困るので、とりあえず目に留まるところにとどめて置いてしまうわけです。

 そして、2の「所定の位置に片付ける」方がいいとは分かっていても、すべてのモノをその都度、所定の位置に戻すのは面倒であるということがさらにこの傾向を加速させてしまうのです。

 「あとで片付けよう」と思っていても、仕事が忙しければどんどん先送りされ、その間にもモノは続々と積み上がっていきます。

 そこで、席に着いたときに必ず何か1つだけモノを所定の位置に戻す、席を立つときには必ず何か1つだけ不要と思われるモノを捨てに行く、というクセをつけるといいでしょう。「1つだけ」というのがポイントです。冒頭に書いたような不要なモノが一切ない理想的な状態を一気に実現することはいったん諦めて、とにかく「1つだけ片付ける」を厳守するようにします。

 余裕があるときでも「1つだけ」です。それ以上片付けてはいけません。

 こうすることで、席に着いたり座ったりするたびにモノが片付いていくようになるため、一日の終わりにはかなり机の上が片付いているようになるはずです。

 席に着いたときに自然と「何か片付けるモノはないかな?」とか、席を立つときには「何か捨てるモノないかな?」と机の上をざっと眺めるようになれば、キレイになる日はもうすぐそこです。

実践編:実際の現場では?

筆者:大橋悦夫

仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)がある。


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