「完璧主義」を止めよう平本メソッド・ピークパフォーマンス実践シリーズ

ブログやメルマガの成功例に見る、とりあえず「書き出す」こと。完璧主義に陥らず、まずは始めてみましょう。

» 2006年07月04日 00時59分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]

 完璧にできるまで始めない、という人がいます。文章を書く人に多く、「テープ起こし」をして、資料や本を読み、完璧に情報を揃え、それに関する知識をすべて揃えてからじゃないと書き出せない、というパターンです。でも、書き出せないはずはない、書き出せるのです。ただ、書き出さないだけなのです。

 最近、素人の方が本を出版して売れているのは、実はブログやメルマガで気楽に「書き出して」いるからです。プロのライターを目指していないし、内容は日記程度。でも、毎日書いているからどんどん上手くなるのです。この人たちは完璧主義の罠から抜け出している人たちです。

 例えば、英会話を始めるという場合を考えましょう。「時間が空くまでやらない」「『NHK英会話』が開始される4月まで待つ」、なんてことをしていませんか? 4月まで待ったのに忙しくて見られず、「途中からになった。じゃあ、9月まで待とう」、なんてことになっていませんか? これでは、いつまでたってもできません。途中からでも始めてほしいですね。

 エクササイズも同じです。「ジムに行くんだったら、30分走って器具を10回ずつ全部やらないとダメだ」と決めていませんか? そして、「残念だけど、今日はその時間がないから行かない」、という言い訳をしていませんか?

 場合によっては、ジムに行ってお風呂に入るだけで帰ってきてもいいのです。それでも「行くこと」が身に付いてきますから。もしくは、30分走って、30分筋トレをやっていたところを、10分だけ走って帰ってきてもいいのです。それは、ダイエットにも健康にもほとんど効果はないけれど、「やること」に対し継続力がつきます。

 私は最近、1日に20回だけ腹筋をしています。20回は、腹筋としての効果はほとんどありません。「80回やれる」と決めてやっていた時期もあるのですが、そうすると本当に3日で終わってしまう。80回やって3日で終わるのだったら、毎日20回だけする。きっとそのうち、気が付いたら30回やっていた、というような時期がきます。80回を3日やって半年やらないよりは、毎日20回やって続ける方が、絶対効果があります。

 どんなことでも、「時間がないとできない」と思わないで、電車の中だろうとなんだろうと、やればやったうちと考えていいのです。完璧主義に陥っていませんか? 完璧主義は止めましょう。

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ピークパフォーマンス 代表取締役

平本相武(ひらもと あきお)

 1965年神戸生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(専門は臨床心理)。アドラースクール・オブ・プロフェッショナルサイコロジー(シカゴ/米国)カウンセリング心理学修士課程修了。人の中に眠っている潜在能力を短時間で最大限に引き出す独自の方法論を平本メソッドとして体系化。人生を大きく変えるインパクトを持つとして、アスリート、アーチスト、エグゼクティブ、ビジネスパーソン、学生など幅広い層から圧倒的な支持を集めている。最新著書は「成功するのに目標はいらない!」。コミュニケーションやピークパフォーマンスに関するセミナーはこちらから。


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